在宅ケアへの関心の高まり
医学が発達して高齢化社会となり、寝たきりの期間が非常に長くなっています。死ぬまでに3年以上も寝たきりで過ごしたというお年寄りも多く、親の介護は長期化と重度化を意味しています。
しかし、要介護と認定された高齢者のケアも大切だけれど、それ以上に高齢者ひとり一人を重度化させないことや、ケアが必要にならないように予防することがもっと大切ではないかと考える人が増えてきています。予防の観点から見ていくと、どうも施設や病院に入ると身体機能の低下が進んで、かえってケアの必要度が高まってしまうのではないかという検証もされています。そのため日本では、「施設から在宅へ」の流れが主流になってきています。
さらに施設の中でも、個室化やユニット化という「施設の在宅化」は避けられない現状となっています。在宅ケアは家族の負担をできるだけ軽くしながら、高齢者の寝たきりと閉じこもりを予防することが介護予防の方法です。ホームヘルパーとして高齢者のケアをする人が頭に入れておきたいことは、仮に高齢者を家の中や自分の部屋の中ばかりに限定したケアにとどまるなら、それは施設と何ら変わりがないということ。ホームヘルパーとしての自分に求められる本当の仕事は、たとえ寝たきりだったとしても、高齢者を地域に連れ出してあげることが大事だと感じます。施設によっては、散歩介助といったサービスも出てきています。
高齢者の数が増えるにつれてサービスの質も求められ、結果的にますます介護サービスが多様化していくことが予想されます。